2011年6月13日月曜日
ピエタ巡礼ツアー1日目。
今回の一人芝居、役者を始めて以来、ようやく初めて、自分がやりたいと思う作品にじっくり取り組んだ、思い入れの深い作品となりました。
それは、私にとっても、妹にとってもです。
そんな出会いになった『ピエタ』、その像を一度拝みたいなあ・・・というぼやきを拾ってくれた母。
そうでなくても、ずっと支えてくれていた母がプレゼントしてくれた、ローマ旅行。
とても楽しい旅になりました。ここにその旅行記を書いてみようと思います。
連載企画、ピエタ巡礼ツアーです!
『1日目。〜空港珍道中の巻〜』
日本を9時の飛行機で出発。トランジットで、北京経由。
北京に着くと、何機かの飛行機の乗り換え客が同時に空港に降り立ちました。
どうやらインドからの乗り換え客が盛りだくさん。。。。
へ〜、インド人ってイタリアへ行くのね。。。
なんて、のんきな事を思い浮かべるのもつかの間、北京への入国窓口がものすごい混雑し始める。
パスポートをまるで辞書でも読むようにじっっっっくりチェックする税関のおじさん。目の前には軽く300人くらいの外国人が群がっているのに気にもしない。
日本なら10分もあれば通過する税関を、軽く3、40分間待たされた。もっとだったかも。
あの税関のおじさんはもはや心のご病気に違いない。いくら外国人は空気を読めないと言ってもこんなに殺気立っているのに・・・。
私と母の眉間から、怒りジワは消えず、むしろ徐々に深まっている。
そんなこんなでやっとパスポートチェックを抜けたものの、、、、、、
・・・・はい?
今度は手荷物チェックゲートが・・・・一つしかない?!
相変わらず乗り換え客は軽く300人超えしてるのに・・・。
しかもインド人のおじいちゃんおばあちゃんは車いすで横入り、手荷物ゲートを鞄を持ったままやら、金属をジャラジャラ付けたままやらで5回くらい通り直ししいてる。
1時間弱しかない乗り換え時間はあっという間に過ぎて、飛行機に乗る前にジュースを一杯飲みながら、3人で憂さを晴らした。
そして10時間後、夢のローマに到着!
私は初めてのヨーロッパ、ワクワクしっぱなしである。
それなのに、またしても、入国口にて・・・税関がたったの二人。
・・・だから、この人数で税関二人は足りなすぎでしょ?????!!!!!!
なぜ?日曜日だから?理由はよく分からないが、こんどは軽く500人超えくらいの人々が、またしても入国待ちである。
私たち家族の前には大量のインド人団体。なんだか嫌な予感が・・・。
税関のおばさまは、今度は間違いなく心の病気におかされていて、半分ヒステリーになりながらインド人のパスポートをチェックしている。
後から聞いた所、インド人は一度入国すると中々帰らないらしい。失業率30%のイタリアではこれはちょっとした問題になっている。だからインド人のビザチェックは時間をかける。
再びさんざん待たされて1時間以上経った頃、ようやく新しい税関のお兄さん、到着。
驚く事に、このお兄さん、パスポートを見ることもなくイケイケ、と日本人を入国させてくれる。(これも最近のヨーロッパでは日本人のチェックは厚い信頼のもと無くなったのだそうだ)
パスポートにスタンプがつかなかったので母はややパニクっていたが、問題ないのだろう、という事で、ようやく荷物を受け取り、空港を出た。
タクシーでホテルへ。ホテルは、『ピエタ』の小説に出てきた母の住むアパルタメントにイメージが近かったので、『ホテル サンタマリア』という、トラステベレのホテルを予約してた。
トラステベレは細い路地が多いため、車が入れない通りもある。
と言うわけで、ホテルの近くでタクシーを降ろされ、3人3様に、重いスーツケースを引きずってホテルへ向かう。でも、まるで土地勘のない私たち。
小説に沿って表現すれば、まさに
『モザイクの美しいサンタマリア・イン・トラステヴェレ教会の近くでタクシーを降りた』
というか、降ろされたのだけど。
でも嬉しかったのは、サンタマリア・イン・トラステヴェレ教会広場へ出た時に、教会の鐘が時を刻んで鳴り始めた事。まるで歓迎してくれてるように感じた。
細い路地には所狭しとリストランテがテーブルを連ね、客達は美味しいワインをご堪能中。
その中を、石畳にキャスターをがつがつとひかっけながら、ホテルを探して歩いた。
リストランテの優しいおじさんが、ホテルを教えてくれた。すぐ裏だった。よかった。
とてもかわいいホテルである。ホテル サンタマリア。
綺麗なお部屋で荷物を整理して、道を教えてくれたリストランテのおじさんの店で、軽い夕食にありついた。
なにせ小食、下戸家族でありますので、ささやかな夕餉となりました。
ピザ、ミネラルウォーター、カプチーノ、ティラミス。
驚いた事にどれも美味しかった。
カプチーノはイタリアで飲んだ中で、結局ここがいちばん美味しかった。
そして店員さんの接客も素晴らしく、気持ちよく眠りについたのでした。。。
一日目、終了!
つづく。