役者や音楽家の方を敵にするつもりは毛頭ございません。
まずそこをはっきりとさせてから、今年一番大切に感じたことを話します。
今年、インドでオーロヴィルという町へ行きました。
そこは町の中心に瞑想ドームがあります。
中は真っ白な大理石で出来た、とてもクリアな、でも優しい空間です。
とても音が響くため、けっして音をたてないように、ズボンのすそはまくります。
咳払い一つしても、エコーで30秒くらい消えない空間です。
世界中の観光客がそのドームに入った瞬間、皆で沈黙を守りました。
その時とても大切な事に気づきました。
『沈黙は、世界中の人が誰でも一緒に作れるもの。』
と言うこと。
声が出ない人でも、肢体不自由な人でも、植物人間と言われようとも、歌が下手な人でも、生きてる人でも、死んでる人でも。
人じゃなくても。
それが『ワンネス』なんじゃないかと、私は思います。
手をとりあっても、歌を歌っても、ハグをしても、『別々』だからすること。
それは『ユニティ』。
ただ、皆がそこにいると言うことは、ワンネスだなぁ。って。
日本の黙祷って、すごくセンスあるなあ。って。
だから、私は言葉に命を吹き込むことが仕事ですが、まず、沈黙の素晴らしさを踏まえて、言葉に息吹を吹き込みたいと思います。
音を使う仕事をする以上、私は沈黙にはかなわないんだってことを大切にしたいと思います。
年の瀬なので、今年を振り返っての感想でした。