2013年10月11日金曜日

銭湯絵の描き替えを拝見しました!

知る人ぞ知る、日本で二人しかいらっしゃらない、銭湯の背景絵師(本人自称)。
その貴重なお一人、丸山清人さんの塗り替え現場を拝見させていただきました。

友達のたびたろうこと、太朗ちゃんが、今年も塗り替え日を告知してくださり、幸運にもその日がお休みに!

前夜ながらも、明日行きます!と連絡して、ほぼ飛び入りです。

書き換えをされるのは、千葉県検見川の梅乃湯さん。

普通は2,3年に1度の書き換え、この銭湯は毎年されているのだそうです。

それだけ、お客さんとの関わりも深く、温かいお店なのですね。素敵です。


私はちょうど12時ころに到着、まだ男湯の絵を描いていらっしゃいました。




私がこの日一番驚いたのは、太朗ちゃんのこの一言。

「すごいですよ、丸山さん、あれで78歳だそうです。」

ええええええ!!

後姿はせいぜい歳が行っても60代くらいの背中です。

しかも、渡し板の上で、ひょいひょい、立ったり座ったり。
とても重いお手製パレット(ペンキの小さいバケツが5つ載ってます)を持ち上げるときだけ、
「よいしょっ」と小さな掛け声。



えええええ!!!


若い。素晴らしい身体をされている。。。。



なんというか、とおおお~~~ってもしなやかなのです。
ピンピンしてるとかじゃなく、軽やか、しなやか。最高です。


以後、私はこの素敵な丸山さんという男性を、そしてその素晴らしいお仕事をずーっと拝見する、
という至福の時間を過ごさせていただくことに。


外は台風の影響で強風でしたが、お風呂場には、気持ち良い風も流れてきます。銭湯の風鈴がなります。
梅乃湯の御嬢さんが飲み物を下さいます。

検見川って、天国らしい。

そんな中、丸山さんがふと振り返っての一言。

「一本松、描きますよ~。」

今年は男湯に、朝焼けの一本松。勿論、陸前高田の一本松を描くことになってたのでした。

私が着いた時点では、素敵な朝日と朝の雲が描かれたところで、ちょうど一本松を描く段階にお邪魔できたわけです。ああ、今日はついてる。


新聞社の方も取材にいらしてたのと、私たちとで、やじうま撮影大会。

写真を参考に描く一本松。
逆光にスッと栄えるその姿は、復興の夜明けを願わざるを得ない、誰もが、祈りと希望を抱く風景に仕上がりました。
  


銭湯絵は、浴場に入る瞬間にバッと視界に入ります。『その瞬間に「絵」になってないとダメなんだ』
梅乃湯のご主人がそう言い、

「いいですね!」
「去年よりもこっちがいい!」

と、感想が出てきました。
梅乃湯さんは去年も、復興を祈って、女湯に一本松を描いたのです。

その時は初めての一本松、そして今年は二度目。
丸山さん自身も
「これはいいね」と、脱衣所に座って、遠くから確認しておりました。

とてもシンプルに、潔く完成させるそのセンスも素敵です。










皆さんと一緒に昼食を頂き、今度は女湯です。
こちらは去年の一本松がまだ残っています。
銭湯絵は、上からどんどん塗り重ねられているそうで、下には歴代の背景絵が眠っているんだそうです。修復師さんにはたまらにかもしれませんね。

しばし写真でお楽しみください。
今しか見れない!二本の(?)一本松。

この沢山の刷毛と筆で描かれます。
これがお手製パレット。もはやお膳並です。この5色だけで描かれていくのだからすごい。
  

さあ、始まります。

チョークで下描き。






あっという間に上半分は富士山に。


8割完成。

終わったのは夕方5時。
昔は二人組で、一日2か所、しかも、営業日で営業前に終わらせる、という猛スピードで描いてたのだそうです。

一日でこの大きな壁画を描いてしまうだけでも、すごい速さだなあ、と思ってしまうのですが。。。

しかも、丸山さんは、俳優の橋爪功さんのようなひょうひょうとした話口で、とてもお話しやすい方でした。

仕事のペースは「一か月に1回が理想」とおっしゃってましたが、実際は全国駆け回っているので、今月だけでも、5か所くらい描いてそうでした。きっと、もっと回ってらっしゃると思います。


78歳の働き者の職人さんに、脱帽。

そして、そんなご縁を大切にされて、銭湯も大切に営業されている、梅乃湯のみなさんの温かさに感謝です。

こんどはお湯に浸かりに行きたいと思います!
梅乃湯の美人親子と。

丸山さん、太朗ちゃんと。