2011年6月16日木曜日

ピエタ巡礼ツアー2日目。

〜いよいよピエタ像拝見!編〜

時差ぼけする事もなく、7時に3人とも起きる。

今日は知り合いの紹介で、ローマ在住の通訳さん、ルイジさんがバチカンへ連れて行ってくれるのだ。

9時に親切にもホテルへ迎えにきて下さるので、それまでに準備しなければ。

7時半からのホテルの朝食ビュッフェ、少し早めに行ったら、まだ準備してた。ホテルに咲き乱れるブーゲンビリアを3人で撮りまくる。


ツタも、日本ではあまり見かけないタイプで、かわいい。

朝食は朝から生ハム、オムレツ、クロワッサン、カプチーノ。朝はパン派の我が家には嬉しい。


朝食後に少し時間があったので、私と妹とでトラステベレのホテルの周りを散策してみた。

何度でも言うが私は初めてのヨーロッパだった。しかも、海外旅行で考えるとインドの次の、ローマ、というギャップがある。


・・・・・わぁ♪

・・・・・わぁぁ♪♪

曲がり角を曲がるたびに、まごうことなきローマンティックな路地の風景に何度となくテンションが上がった。
かつてロンドンに2ヶ月滞在した事のある妹は、横で、しみじみと、
『わたし、ヨーロッパ合うわ。』
とつぶやいていた。確かに妹は観光客に見えない。おそらくアメリカンなものをまとわない、または似合わないのだ。ヨーロピアンなものは、景色すらしっくり来る。(そんなすごいブランド品とかでなく、イメージ的な話しであります。)

インド後遺症で美しすぎる景色に感激し、迷いつつも、無事にホテルへ戻った。

9時半、ルイジさん到着。

歩いてバチカンへ向かった。

テベレ川の向こう側、という意味で『トラステベレ』という地名なのだけど、すぐ近くのテベレ川を昨晩は観てなかった。行きがけに、ルイジさんが橋まで寄り道してくれた。

小説に出てきたマロニエの並木は、緑のモールを通り越して、緑の壁と化していた。時が経ったのですね。

橋の中程から、サン・ピエトロ大聖堂のクーポラ(ドーム型の屋根)が見えた。

私たち3人とも『おぉ〜〜〜!!!あれが!』と喜ぶ。こんなに嬉しいのはカソリック信者の皆様か家の家族ぐらいかもしれない。
ふと、後ろでおじさんの奏でるギターの音色が耳に入った。『マイウェイ』、だった。

青い空、水色のクーポラ。遥かに見えるその景色に、気持ちよい地中海性気候の風と、マイウェイが背中に気持ちよかった。これで良かったんだな、と、そっと自己満足した。


30分ほど歩くと、バチカン市国だった。


今は便利なもので、バチカン博物館とシスティーナ礼拝堂は、オンラインでチケット予約が出来る。
サン・ピエトロ大聖堂は無料なのだが、午前中は物凄い行列で、前の広場が円周に沿っておよそ一周、列で囲まれる。ところが午後に行くと、ガラ空きになる。


と言うわけで、ルイジさんのアドバイスにより、目の前にあるサン・ピエトロ大聖堂を尻目に、バチカン博物館へ先に向かった。チケットは、ルイジさんに予約しといてもらった。
本当に当日券を買いたい人が随分並んでいる。オンライン予約って、素晴らしい。

バチカン博物館で私が楽しみにしていたのは、ラオコーン像。
(ローマの予習として、しっかり読んできた)かの手塚治虫賞受賞作品、『テルマエ・ロマエ』3巻、と言えば好きな方にはピンと来るかもしれない。
これです。
ん?なんだっけ?

って方。

これなら思い出す???


そう、3巻の表紙モデルです。

ルイジさんに、是非この漫画を読んで頂こうと思っています。
日本とローマを愛するルイジさんならきっと好き!


そして、美しいいろんな時代の美術を鑑賞しつつ、さいごにシスティーナ礼拝堂へ。
ここの見所は、そう、ミケランジェロの大天井画『天地創造』と大壁画『最後の審判』。

すごい、と私が力強くキーボードを叩いてしまうのは、ミケランジェロはどちらの仕事も『渋々』引き受けた、ということ。
私は絵描きではないのに、何故こんな事を。。。

みたいな。


現代の人がそんなモチベーションでこんなこと、出来るだろうか?!


↑こんな事、ですよ???
ミケランジェロは本当に天才だと思いました。細胞で納得しました。


そんな感動の中、ルイジさんとの楽しい時間は過ぎて行き、ランチを食べて記念撮影。
ルイジさんタイム、終了です。ルイジさん、はじめてのローマ歩き、ガイドをありがとうございました!




そして、食後にいよいよピエタを観に!いよいよ!いよいよ!

小説に出てくる、アトリウムから右に流れる人の流れに載って少し行くと、ガラスに囲まれた聖段があるはずだったのですが・・・。方向音痴なのか、入り口が違うのか。見つけられず。先にクーポラの上まで昇ってみた。
行った事ある方はのぼったの〜、アレ。
と、思うかもしれません、そう、アレです。
途中まではエレベーターがあったのですが。最後の30分くらいは階段を上り続けていたような。。。非常に長い上り階段、しかも、幅は一人分しかありません、ちょっと横幅のある方にはかなりきついかもしれません、てくらい狭い上に、クーポラの外周に沿っているため、壁が斜めで、平行感覚もよく分から無くなる。。。
案の定、母が辛い訳です。
お母さん、ごめんなさい。
気軽に挑戦しすぎました。

なんとか、3人とも頂上へ到着。母と同じくらいの方も結構いらしていた。時々、到着の拍手が聞こえてくる。うん、よくやりました!と、私もこころで拍手。年配の方にはこれは大変な偉業です。


クーポラから下山すると、ようやくピエタにお目にかかれた。
ドキドキ・・・あのガラスの中だ。。。思ったよりも遥かに遠くに設置されている。

そんなに混んでなかったので、グイグイ、っと、最前列の手すりまで来て、母と妹とかぶりついた。



どんなに、資料を見ても分からなかった。


こんなに、悲しい顔をしていたなんて。



彫刻の表情は、写真にはどうしても写らない。どんなにアップでも。

無原罪のマリアの、若い顔に宿る、母の悲しみ。


近くで観て、やっと、悲しげに見えた。悲しげ、が初めて感じれた。生でないと無理なんだと、よくよく分かった。


でも、あらゆる経験をさせてくれた、マリア様の導き。ピエタをやりたい、と思ってから今までの全てを、ピエタ像のマリアに、感謝した。やっとお礼が言えたと思った。

そんな気持ちでピエタを見る人なんていないのかもしれないけれど。



きっと、3者3様の喜びがここにあったと思う。


マリア様、ありがとう。