今日は父の劇団の公演を観てきました。
去年も上演した作品、『群青 夏へんろ』。
戦争で兄弟を亡くしたお遍路さんの思い出話から、かつて若くして亡くなった方々の手記を追っていく作品です。
学徒出陣で戦地へ赴いた方々の手記です。
当たり前ですが、『学徒』というのは、学歴のある方々です。
とても上品に、純粋に、母、家族、恋人への愛を最後に伝えています。
その裏に、もっともっといた、学校へ行く余裕すらなく、家族を支えていた青年、少年達も沢山、沢山居たと思います。
その人たちにも、赤紙は訪れて。
何も伝える言葉を残せずに逝かれた方も居たでしょう。
沢山の愛が引き離された体験だったでしょう。
待つ人のもとへ還ってくるものは、空っぽの白木の箱。一握りの白い砂。
逝く人の最期の言葉が、『お母さん』だったひと、『お父さん』だった人、そう思いながら『天皇万歳』だったひと。
これは、ドラマではなく、歴史的事実だったんですよね。
しかも、20代、10代の人たちです。
この作品は、荒削りだけど、本当の言葉で出来ているから、涙が出ます。魂に、響いてきます。
戦争の悲劇は、もはや日本の専売特許ではありません。
でも、私達は日本人です。日本の悲劇から、実感を得て学べることが沢山あります。
もちろん、日本が作った悲劇も沢山あります。
どちらも、しっかり知ること。これからも、記録が打ち消される前に知れることは知りたいと思います。それは、原爆が落とされた国に産まれた私達の使命でもあると思うのです。
世界の平和を心から祈ります。
どうか、世界中で、戦争で傷ついた生きてる人も亡くなられた人も、その魂が癒されるときが来ますように。
今日、この芝居が観れて、良かったと思います。