宇宿允人(うすきまさと)さんという、素晴らしい指揮者が、3月5日、お亡くなりになりました。
宇宿允人の世界
彼の音楽は魂を揺さぶる、素晴らしい演奏でした。
私が初めてコンサートへ行った時は、最後のアンコールでバッハの『G線のアリア』をされましたが、涙が止まりませんでした。
ベートーベン『運命』で、泣いた、と言う反響は非常に多く、本当に音が立体的な、素晴らしい方でした。
去年最後かもしれないと言われたコンサートでは、アンコール曲が上手くいかず、途中で演奏を中止し、お詫びされて退場されました。本当にそれが最後になりました。
とても精力的な方で、社会面にも通じてらして、それでいて、まったく気取らない、とてもフラットな方でした。演奏会の最後には、リハーサルで一番苦労した(宇宿さんにしぼられた)演奏者の方を必ず讃え、心の奥がとても優しいかただとお見受けしていました。
晩年の宇宿さんと出会い、最後まで宇宿さんの音に触れることが出来て、深く感謝しています。
素晴らしい音楽をありがとうございました。
どうぞ天国で、すばらしいオーケストラを率いて、天の調べを奏で続けて頂きたいと思います。