2011年6月22日水曜日
ピエタ巡礼ツアー4日目。
〜母、本領発揮編〜
今日は穴場を巡ってみよう、そして、歩きすぎたらバスを使おう!
という2つのテーマでコースを決めた。
穴場とは、ご存知の方もおありでしょうが、『鍵穴』。
マルタ騎士団の壁の鍵穴から偶然にもサン・ピエトロ大聖堂が見える。
誰が見つけたんでしょうね。
写真に撮るのが難しかったので、一番その日見た景色に近い画像をご紹介。
こんなです。
本当に美しい。面白い。行ってよかったスポットです。
その前には、お約束の真実の口にも行きましたが、撮影の列が並んでいて、口に手を入れるのにドキドキする余裕はありませんでした。
しかも、あれは、昔の井戸や下水口の蓋、マンホールなのだそうです。
・・・・デカイですね。そして、足下にあの顔があった方がわたしはどきどきしたと思います。
鍵穴をのぞいてから、コロッセオに向かって、高級住宅地を抜けていった。
高級かどうかに興味はなかったけれど、車社会のローマで、車の走り回る気配が殆どなく、花の咲き乱れる住宅地は気持ちよかった。
どの家も、玄関が気にいってしまった。
古いものを上手に使っている。
写真には撮れなかったけど。
大通りに出た所でローマで最後のランチを食べた。パスタに疲れたので、サラダとステーキと、ベイクドポテト。
イタリア人は、取分け、という習慣が外食ではないようで、一人で、山盛りサラダだけを食べてる人とか普通に多くて面白い。
再び歩いてコロッセオを横目に、バス乗り場へ。
またしてもバスが来ない。
乗り物とはなかなかタイミングが合わない旅である。
真夏の日差しの中で30分程待って、ミニバスにやっと乗れた。
昨日の買い残しを探しに再びスペイン広場へ。
各々用事を済ませて、バスに乗り、この2日間、夕暮れ時を逃して観に行けなかった、トラステヴェレのジャニコロの丘へ3人でタクシーで向かった。
17時くらいだったけど、まだまだローマは明るい。
見晴らしの良い丘の上で、記念撮影。
妹が写真を撮りながら言った。『ピエタツアー、これにて終了だね!』
は〜い、本当にそうです!
晴れ渡るローマを見渡し、本当にずっと楽しかった、と全てに感謝した。
夜は残念ながらあまり美味しくなかったリストランテに入ってしまい、口直しにサンタ・マリア・イン・トラステヴェレ広場のカフェでお茶をした。
そこにはオレンジがかごに摘まれており、元来申年(さるどし)の母は、果物とナッツがないと生きていけない。どうしても食べたい、という顔をしていたので、ジュース用のそのオレンジをカットで出して欲しい、と交渉した。
バイトが休んでしまったのか、一人でオーダーに奮闘していた青年が、母の切なる願いを叶えてくれた。
母は、食べごろのオレンジを食したとたん、みるみる目が蘇った!
(ロールプレイングゲームみたいな展開だが。)
食べきれなかった分を持ち帰ったものの、私達のホテルにも見事なオレンジがたくさんなっていた。
『観賞用かもね』
というわたしの言葉を背に、二人は先に部屋へ向かった。
わたしがフロントで鍵をもらって、二人を追うと、
妹が、部屋の前のオレンジをもいでいる。
嬉しそうな母。
『何やってんの〜〜?!』というわたしのあきれた声に、にんまりとふりかえる、母。
もはや猿にしか見えなかった。
『どうしても一つ欲しいんだって。』と、親孝行気に言う、妹。
いやいや、それは親孝行ではなく窃盗共犯なのだよ、妹。
結局母は、このオレンジを振って、こう言うのです。
『なんかこのオレンジ、スカスカみたい。食べても美味しくないかもね。』
・・・。
翌朝、わたしが木の根元に実を戻したのでした。
やってくれます、おとみさん。
(母の名は富子)。
明日は夢の国、アメリアだ。