2011年9月3日土曜日
頂きものの日
今日は、愛媛から古い友達がきてくれた上に、当時の仲間が出演するフラメンコ公演のチケットを一枚譲ってくれて、一緒に観てきました。
佐藤浩希さん、というフラメンコダンサーです。
時々テレビでも紹介されるので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
普段は曾根崎心中や、卒塔婆小町など、和物をフラメンコでされています。
今回の演目は、完全にスペイン、フラメンコ!という感じのレビューの数々でした。
タイトルも私を招いているかのようです。
『愛こそすべて』。素晴らしい。
愛媛の友人との再会は、おそらく10年ぶり!
この友人と会えるのは実は一入の喜びがありました。
彼女は、遺伝で、視野がどんどん狭くなってしまう病気を持っています。
10年前と、今。
正直どれくらい見えるかな〜。という想いもありつつ、でも、フラメンコを観に行けるのだから、と、思うと、あまり心配はしませんでした。
待ち合わせの場所で会ってみると、彼女は白杖を持っていました。
ちょっと驚きました。『どれくらい見える?』とすぐに聞いてしまいましたが、想像してるよりはしっかり見えていて、視力はあるので安心しました。
白杖を持った彼女は、以前の印象よりもずっとたくましくなっていました。
とても頼もしく、彼女と一緒にいるとたくさんの人の優しさもいっしょに経験出来ます。
彼女は、本当に強くて優しい、と思ったのは、
自分のためだけでなく、人のためにも、白杖を持ち、障害者手帳を持つことを決めたことです。
きっと本人が生きていくにはなんとか白杖なくても、もちろん障害者手帳を持たなくても、出来てしまうんですが、周りの人が困惑しないように、とても思いやって、諸々を持つことを決めたようでした。
そんな素敵な友達と、すてきなフラメンコ鑑賞。
私たちが知り合った時に、フラメンコをこれからやっていくんだ〜、と話していた浩希さんは、いまは本当に軽やかで華やかなフラメンコダンサーとなっていました。
奥様の鍵田真由子さんも、とても寛容な存在感の方で、彼女の踊りに渦に吸い込まれるように、演奏も、歌も、私たち客席も一つになっていきました。
美しく、迫力のある時間。靴音のバイブレーションが身体に残ります。
スペインギターの乾いた、甘い音色、歌声の美しさ、手拍子。そしてダンサーの情熱。
夢のような世界でした。
こんな素晴らしい舞台のチケットをくれたことを本当にありがたく思いました。
浩希さんも彼女の眼がまだ見えていたことに、喜びを隠せずにいました。
お互いに深い喜びをもらい合って、興奮も覚めやらぬまま、彼女を送り届けました。
今日は夜にもライブがあって、今度は和楽器バンドのゆる面白いライブを観に行きました。
琵琶に尺八、三味線、箏、鳴りもの、の和製ゴレンジャー。
演奏はいろいろ混ざってどうも粋です。
トークもお上手です。
一人一人におのおの師匠さんがいて、本流とは違うお遊び!という心意気をしっかり共有しています。
そこが楽しいのですね。
最後に狂言師まで登場して、エヴァンゲリオンのテーマ曲で舞いをされたときは、これまた異次元の世界に来たような気分で、不思議な気持ちでした。
帰りに、出演していた友達から、遅くなったけど、と、誕生日プレゼントをもらいました。
今日はたくさんの人から、心の頂きものをする日だったようです。
ありがとうございました。