2013年6月27日木曜日

ダヴィンチ展へ

今日は、ダヴィンチ展へ行きました。こちら、6月30日まで、ということで、
滑り込みな感じで行きましたが、幸運にもあまり混んでなく、ゆっくり見ることが出来ました。

今回は唯一の男性の肖像画、『音楽家の肖像』、そして、手槁の展示でした。

何といっても、手槁!そう、ダヴィンチのメモ。

これには感激しました。

大変な勉強家、そしてメモ魔。

おかげさまで世界中の人が、このメモであらゆるインスピレーションを受けているかと思います。

何より、驚きましたのは、文字の小ささ。他の素描画等を拝見した時も、ひょっとして・・・と思いましたが、とても視力が良かったのでは、と思います。
そして、びっしりとメモされている紙を観ると、「ああ、紙も大切に使わなければ。」とも思うのでした。

有名な事実ではありますが、ダヴィンチが左利きのため、メモの文字が鏡文字であることには、とても感銘を受けました。
小さな小さな文字ですが、ラテン語なのか、イタリア語なのか分かりませんが、
あ、逆。
というのは、本能的に分かるものなのですね。
同時に、
あ、そうだね〜。
とも思いました。
インクと羽ペン等で文字を書いていた時代、私は、とても自然なことだと思いました。

私も左利きです。

左手で文字を書くのは、いちいち紙に逆らう動きばかりです。特にインクや墨を使うものは。
鏡文字は、身体にとって、とても自然。それをどのような意図で『使った』か、諸説あるようですが、間違いない、と思うのは、彼は、子どもの時から鏡文字が書けた、ということ。あれは、子どもの時にしみつかないと、あんなに綺麗に書けません。左利きの私が言うので、本当です。
障害ではなく、強い本能、という感じがします。彼は普通の文字も書けてますから。

左右対称に身体を使うことにも感心があったそうですが、だからといって、誰でも書けるものではない気がします。
私は、左手で、鏡文字を治し直し育ちましたが、左手で逆さまに文字を書くと楽です。
鏡文字の原理です。

左利きは、特に日本社会では育つ過程で封印されます。
作法や、マナーの問題で突き当たる困難があります。
現在は、生き生きと左利きのまま暮らしてらっしゃる方も多いですが、
私は今はお概ね右に矯正されています。
絵は左、字は右、楽譜は左、
箸は左、包丁も左、ハサミは右、縫い物は左、編み物は右。
スポーツは左。
てな感じです。

今日の鏡文字を観て、脳が非常に刺激されました。
久々に、左手でペンを取ってみようかな、と。絵でも文字でも、何か書いてみようかなと。
あの頃の私の頭はとっても忙しかったけど、今より個性的だった。それが怖くて沢山のことをみんなと同じになりたいと思っていました。

あのころの感覚に戻りたくなった、ダヴィンチ展でした。