2011年3月25日金曜日

一人芝居のお知らせ文



一人芝居『ピエタ』公演のお知らせ


3月11日、日本中の意識に大きな変化が訪れました。
東日本大震災。

地震から、津波、そして放射能と、私たちの生活を脅かしてきた出来事がまとめてやってきました。
これが夢なら、というくらいに目に焼き付いた津波の被害、
逆に目には見えないのに、こんなにも人を脅かす、放射能。
誰しもの心にこれから生きていく命のためにどうすべきなのか、という模索は続いています。
あの時、あの後、誰と連絡を取り合いましたか?
誰のことが心配でしたか?
さっきまで、喧嘩していた家族だったかも知れません。
震災地にいる友人だったかもしれません。

自分の大切な人たち、逆にこれが人を大切に思う気持ちだということ、
そんなことを確かめる機会にもなったのではないかと思います。

昨年9月より、浅田次郎原作『ピエタ』という短編小説の朗読会をさせていただきました。
ツアーで計6公演をさせていただき、今回、ツアーの最終公演として、舞台化し、
一人芝居『ピエタ』を上演いたします。
この作品には、家族や恋人との、普段言葉にしきれない、
たくさんの想いがぎゅうっと詰まっています。
そこには、あの日、連絡が取れなかった、無事を確認したかった大切な人への想いが映っています。
大惨事の中で見えた、日本の絆。
そして、家族の絆。
朗読会を重ねてきた結果、この作品は『祈り』だと感じています。
愛と、ゆるし。
それは慈哀のマリア像=‘ピエタ’からのメッセージであり、
今こそ振り返り、心に留めるべきもののように思えてなりません。
『ピエタ』ツアーは母の日に終わります。
母に感謝し、今だから感謝したいあの人に感謝を伝え、
皆さんの心の絆がさらに深まる日になることを祈ってやみません。
だから、来場者の皆様に、メッセージカードを贈ります。
『ピエタ』を観て、その心のままに、カードを使っていただければと思います。



私は役者です。だけど、芸能人ではありません。
芸能人を目指したこともありました。
でも、やっぱり目の前のお客さんの涙と笑いと、感動にはかないませんでした。
だから、もっと身近に、気軽に楽しんで頂く、朗読会というスタイルも好きになりました。
自分で作品を選ぶことが増えました。
観て下さるかたの生き様や、感受性や、これから出会う人に何を感じてもらいたいか、
想像しながら、責任と覚悟をもって選びます。

人の心の健やかさの為に、お役に立てたらと思っています。




演じること、健やかなこと、幸せなこと。

全部、私で、地球で、宇宙。


これは今、独り立ちした私が心に携えているキャッチフレーズです。



実は同時に、

そして、その全部が、あなた。


と思っています。


特に朗読会や一人芝居は、私の言葉で、皆さんが世界を作ります。参加型です。

自然と世界が見えるように、万全の準備で私は言葉に息吹を吹き込みます。

あとは、あなたの心に見える風景を楽しんで下さい。

この作品を必要としている人が、会場へ訪れて下さると思っています。


大切な人が、いらっしゃいますか?

いらっしゃれば、おそらく大抵の方が心をふるわせて堪能出来る作品です。
大丈夫です。芸術に疎遠でも、本を普段読まなくても、大丈夫です。

私は、この小説を読んで、電車のなかで、ぽろぽろと泣きました。心がドキドキしました。

今度は皆さんの番です。

大切な誰かと、ご来場して下さることを心よりお待ちしております。

長文おつきあいくださり、ありがとうございました。
2011年3月 春口あい

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